※この記事には広告リンクが含まれています。
気に入った日本語ラップの曲を、今日も再生する。
何回聴いても好き。でも、もう少し別の曲も知りたい。
そこで検索すると、おすすめの百曲、必聴の名盤、歴代の重要作。急に広い場所へ放り出されてしまう。
一曲の次を探しただけなのに、百曲の宿題が来た。
そんなときは、今好きな一曲から、収録アルバム、参加アーティスト、制作クレジットのどれか一つをたどってみましょう。知らない作品を一度に並べるより、なぜその曲へ進むのかが分かります。
この記事では、RHYMESTERの公式ディスク情報を具体例に、次に聴く作品を自分で探す手順を紹介します。曲目とクレジットを手掛かりに、今好きな曲から次の候補へ進んでみましょう。
必要なのは、専門用語を全部覚えることではありません。今気に入っている一曲の名前から、次の扉を一つ開ける方法です。
まず好きな一曲の収録先へ戻ると、次の候補を絞りやすい
曲を好きになった入口は、短い動画でも、友人の紹介でも、配信サービスでも構いません。最初に確かめるのは、その曲のアーティスト名と収録先です。
作品名を検索したら、公式のディスコグラフィーやレーベルの曲目を見ます。そこでアルバム名が分かれば、その一枚の中に次の候補を探せます。
いきなり「日本語ラップ全体で似た曲」を探すより、候補が少なくなるのがよいところです。同じ作品に入る曲でも違いはありますが、少なくとも関連の見えない一覧から選ぶ状態ではなくなります。
たとえば、RHYMESTERの「My Runway feat. Rei」が気になったとします。ビクターの公式曲目では、アルバム『Open The Window』の2曲目として掲載されています。
ここからなら、その前後の曲へ進む、アルバムの一曲目から聴く、参加しているReiを調べるという三つの入口ができます。
好きな曲が、行き止まりではなく分かれ道になる。
私は、最初はこの三つから一つだけ選ぶことを勧めます。一曲聴くたびに別タブを五つ開くと、音楽を聴く前に調べ物の時間が終わってしまうからです。
収録先が複数出た場合は、今聴いている曲がどの音源かをそろえます。シングル、アルバム、ライブ音源などで同じ名前が出ても、全部を同一の録音だと決めつけず、表示されている版を見ます。
MVから入った人は、説明欄や公式サイトの収録案内を確認できます。曲の長さが違うから偽物だと判断するのではなく、映像版や短い紹介用の版ではないかを見れば、探す対象がはっきりします。
もっと広い作品候補も知りたくなったら、アルバム単位で紹介するディスクガイドが役立ちます。
例に挙げた曲目はビクターの『Open The Window』で確認できます。
曲順を手掛かりに、好きな曲の前後を一組で聴いてみる
収録アルバムが分かったら、好きな曲のすぐ前とすぐ後を見る方法があります。全曲を一度に覚えるより、小さな範囲で作品へ入れます。
『Open The Window』の公式曲目は、1曲目が「After 6」、2曲目が「My Runway feat. Rei」、3曲目が表題曲です。まずこの並びを、自分が利用できる正規の音源でたどる候補にできます。
ここで試すのは、曲順に唯一の正解を見つける作業ではありません。好きな曲だけを繰り返したときと、その前後があるときで、自分の印象が変わるかを見る聴き方です。
たとえば、始まった瞬間の声や音に注目する、前の曲が終わってから次が始まるまでを聴く、気になった曲だけ最後にもう一度流す、といった試し方ができます。
これらは本稿の鑑賞の提案で、特定の曲が必ずそのような効果を狙って作られたという説明ではありません。
順番を変えずに聴くだけでも、今までの一曲に隣の顔ができる。
曲順で聴きたい場合は、使っているサービスの再生設定も見ておきます。シャッフルや自動で追加される曲によって、画面の曲目と次に流れる曲が違うことがあるためです。
自分の利用条件で曲順を指定できるならその機能を使い、できなければ、利用できる範囲の音源や手元の作品から始めます。この方法のためだけに新しい機器を買う必要はありません。
短い紹介動画を一つずつ見る方法と、一枚の曲順をたどる方法は、気付く対象が異なります。動画で気になった曲を、収録先の中へ戻すだけでも、候補の探し方が増えます。
途中で別の曲が好きになったら、それを次の起点にして構いません。最初の一曲に戻り続けるより、自分の関心が動いた場所を追うほうが、選曲が自然に広がります。
アルバムごとの紹介から次の一枚を探すときには、関連盤も扱うガイドが候補になります。
客演の名前をたどると、いつもと違うアーティストへ進める
同じアーティストの作品を聴いていると、曲名の横に別の名前を見かけることがあります。そこが、次の人を探す入口です。
たとえば「My Runway feat. Rei」なら、曲名にReiの参加が示されています。表題曲には「feat. JQ from Nulbarich」という表記があります。
まずは、その表記を省略せずに確認しましょう。知らない名前を自分の予想で読み替えるより、公式表記のまま調べると別人との混同を減らせます。
知らない名前が、邪魔な情報から次の行き先へ変わる。
参加者が気になったら、本人や所属先の公式紹介、ディスコグラフィーへ進みます。そこで自分名義の作品が見つかれば、共演曲とは別の入口を作れます。
このとき、同じ曲に出ているから音楽性も全部同じだと期待しすぎないほうが楽しめます。気に入った声が別の組み合わせでどう聴こえるか、という好奇心を持って移る方法です。
曲名にある「feat.」だけが共演の表示とは限りません。今回の公式曲目には、複数の名前を組み合わせた名義の曲も載っています。見慣れた形式でなくても、アーティスト欄と作品紹介を一緒に見れば手掛かりになります。
一方、誰がどの声を担当しているか分からない場合は、名前の順だけで決めないようにします。公式の映像や紹介で確認できる範囲を使い、分からないところは、まず曲全体の候補として残せます。
次へ進む人数も、一度に一人で大丈夫。客演を全部調べ、さらにその客演を全部調べると、すぐに大きな一覧になります。気になった一人の一曲を聴くところまで進むほうが、発見を自分の耳へ返せます。
名前同士のつながりを知ったうえで、別の時代や作品へ広げたい場合には、ディスクガイドも使えます。
参加者から作品を広げる参考に『日本語ラップ名盤100』を探す
制作クレジットを見ると、声の主とは別の手掛かりが見つかる
声を気に入ったのか、曲を支える音の雰囲気にひかれたのか。まだ説明できなくても、制作に関わった名前を見ると、次の探し方が変わることがあります。
RHYMESTERの公式リリース情報には、曲ごとのプロデュース表記があります。「After 6」はDJ JIN、「My Runway feat. Rei」はMr. DrunkとRei、「Open The Window feat. JQ from Nulbarich」はJeremy Quartusと記載されています。
ここから分かるのは、同じアルバムでも制作担当の表示が曲によって異なることです。好きな曲と別の曲を比べるときの、具体的な入口になります。
ただし、表記された一人が、聴こえる音のすべてを一人で作ったとまでは読み取りません。担当の範囲はクレジットや本人の説明に沿って扱います。
曲名の下にも、次へ進む名前がある。
Spotifyの公式説明では、楽曲クレジットはレーベルやディストリビューターから提供された情報をもとに表示されます。情報に対応していない配信元もあるため、表示がないことだけで、その役割の人がいないとは判断できません。
クレジットを見つけたら、名前だけを検索する前に、どの欄に載っていたかを控えると整理できます。アーティスト、ソングライター、プロデューサーでは、次に確かめたいことが変わります。
たとえばプロデュース欄の名前が気になったなら、その人が別の作品にどう関わったかを公式情報から探します。検索で同名が見つかっても、いきなり同一人物と決めず、所属や関連作品を照合しましょう。
曲同士に共通する名前があっても、必ず似た曲だという保証にはなりません。むしろ、同じ担当でも別の相手と作るとどう変わるのか、という比較の楽しみにできます。
情報を調べた後は、候補を一曲だけ聴いて、好みに合ったかを自分で判断します。クレジットは好きになるべき理由ではなく、まだ知らない曲へ行く道案内です。
作品の背景と合わせて読む資料には、アルバム紹介の本もあります。
根拠はRHYMESTERの公式リリース情報とSpotifyの楽曲クレジット説明です。
見つからないときは、作品名・名義・版を順に絞り直す
気になった曲を検索したのに、ライブ映像や別の版ばかり出てくることもあります。そんなときは検索語を増やし続けるより、何を探しているかを分けます。
まず曲名とアーティスト名。それで絞れなければ、収録アルバム名を加える。この順なら、手掛かりのどこが違っていたかを見直せます。
Spotifyでは公式ヘルプに、アーティストやアルバムなどを指定する検索方法が掲載されています。たとえばアーティストを指定する「artist:」、アルバムを指定する「album:」を、名前や作品名と組み合わせて使えます。
一般の検索エンジンで出た結果が、そのサービスでも同じ表記になるとは限らないので、まず公式の書き方を手元に置いて試します。
検索が下手なのではなく、同じ名前の候補が多いだけかもしれない。
CDを探す場合は、配信ページのタイトルに加えて品番も使えます。今回の『Open The Window』通常盤は、ビクター公式でVICL-65828です。
曲を聴くことが目的なのか、付属する冊子なども欲しいのかで、選ぶ商品は変わります。同じタイトルでも版と付属物が違うことがあるので、先に欲しい内容を決めると選びやすくなります。
再発や別仕様の商品を見つけた場合も、表示されている発売日だけで、音楽自体がその年に初めて出たと決めません。初出を知りたいなら作品のリリース情報へ、手元に置きたい商品を選ぶならその商品の説明へ戻ります。
過去の予約特典のページが検索に残っていても、現在その特典が付くとは限りません。買うときは今の販売条件を見ます。音源を聴く入口の話と、物としての仕様の話を分けると、調べる場所もはっきりします。
資料を買う場合にも、紙の本か電子版かを先に決めると探しやすくなります。
検索指定の案内はSpotifyの検索ヘルプで確認できます。
日本語ラップ名盤100は、一曲の先に別の時代を見つけたい人へ
今好きな作品から、別の時代のアルバムにも広げたい人には、韻踏み夫著『日本語ラップ名盤100』が候補です。
イースト・プレスの公式情報では、2022年9月20日発売、四六判232ページ、ISBN9784781621081です。100枚のアルバムと関連盤200枚を紹介するディスクガイドとして案内されています。
公式目次は年代ごとに分かれているので、今知っている作品の年代と、それより前の作品を結び付けて読む入口になります。ここでの紹介は公開された目次と書誌に基づき、全ページ読了の書評ではありません。
この本を候補にする理由は、ラップを自分で作るための練習書ではなく、聴く作品を増やすための本だからです。今回の「次に何を聴くか」という目的に合わせて選んでいます。
百枚という数を見ると、最初から全部順に聴こうとしたくなるかもしれません。でも、本を開く前に自分へ課題を出す必要はありません。
まず、知っているアーティストや作品の掲載箇所を探す。そこから関連する一枚を候補にする。こんな使い方なら、自分の好きな曲と本の案内をつなげられます。
批評の言葉と、自分が聴いた印象が違っても、そのまま残しておきましょう。なぜ紹介者がそこに注目したのかを考えると、同じ作品へもう一度戻る理由になります。
また、刊行が2022年なので、その後に発表された作品まで網羅する本ではありません。今回の例にした2023年発売の『Open The Window』の詳しい解説を求めて、この本を選ぶのは目的がずれます。
現在気になる作品はアーティスト公式から確認し、そこから過去の作品へ広げるときにガイドを使う。この組み合わせなら、本に載っているかどうかだけで聴く範囲を狭めずに済みます。
紙で手元に置きたい場合はISBNを、電子で探す場合はその形式を確認してください。作品数を覚えるためより、次に再生したい一枚を見つけるために使うと、読み方も軽くなります。
書誌と掲載範囲はイースト・プレスの公式紹介を参照しています。
まとめ|次の一曲は、今好きな曲のすぐ近くから探せる
日本語ラップの聴く範囲を広げたいときは、好きな一曲の収録アルバム、参加者、制作クレジットを入口にできます。
アルバムの前後の曲を聴くなら、その一枚の中へ。客演が気になるなら、その人の作品へ。制作担当に関心が向いたら、公式クレジットを確かめて別の参加作品へ進みます。
一度に全部をたどるより、今日気になった名前か曲を一つ選ぶほうが、実際に再生するところまで進めます。知らない名前が増えただけで終わらせないことが、今回の探し方の要点です。
広い年代のアルバムも知りたくなったら、ディスクガイドを足せます。書かれている評価を正解にするためではなく、自分では見つけなかった一枚へ行くためです。
まずは、いつも再生している一曲の収録先を開いてみてください。
百曲の宿題は、いったん置いておいて大丈夫。今日の次の一曲は、その隣にあるかもしれません。
コメント